(非)日常

社会人でもオタまっしぐら。

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2/12~2/18の読書感想です。

 先週に引き続き多めです。大学生って良いですね。
 そうそう、過去の感想についてですが、HPのBookshelfに作者別で分けてあります。これからはブログのリンクから行ける様にしておきます。


2/12 ちほう・の・じだい(梶尾真治/ハヤカワ文庫JA)

 SF=すこし・ふしぎ、な「世にも奇妙な物語」テイストの短編集。あらすじどおり、切ない系からホラー系、はたまたシュールなギャグや終始ドタバタなの、と実にバラエティに富んでいます。そんなところも世に奇妙っぽいですね。器用だなぁと思う反面、器用貧乏だとも感じました。取り立ててつまらないという短編はなかったのですけど、格別面白い! という作品もなかったような……。あえて言うなら『時の果ての色彩』が切なくてカジシンっぽくて好きですね。時を越えたラブストーリーは良いものです。『トラルファマドールを離れて』同じくラストのあっさりとした切ないがよかったです。あと『アンナプルナ平原壊滅戦』(当方七都市物語は手をつけてないです)で言いたいことは田中芳樹=遅筆ということでFA? そして『怒りの搾麺』で意識のある性器を見たとき、真っ先に浮かんだのが『ちんつぶ』(大和名瀬)だったのは色々な意味でダメな気がする……。
 カジシンはこういうのも書けますよ、ということでしょうか。個人的にはカジシンは切ない系のほうが好きかなぁ。

【評価:★★★】


2/12 風でなくても(火崎勇/朝南かつみ/BasiL NOVELS)

 高校時代に付き合っていた先輩×後輩なオフィスラブ物。そしてひたすら攻めがぐるぐるぐるぐる悩み続ける話でした。野々宮の一人称で進むので、良くも悪くも少女漫画的な印象があります。というか地の文のほとんどが野々宮の心理描写です。こういうタイプの進め方はそこまで嫌いじゃない(決して好きではない)のですが、今回は野々宮が問題についてうじうじ悩んでいる割に問題そのものはあっさり解決されてしまうのでバランスが悪い罠。特に2話目のオチなんて、それじゃ結局成長もしてないし解決もしてない気が。あと受けの遊馬の描写があんまりない(というか出番自体あんまりない)のでビジュアル以外の魅力がイマイチ伝わってこなかったです。二人が惹かれあっているのは分かるんだけど、内省的すぎて萌えるのは無理かな。萌えのない、中身も微妙なBLなんて(ry
 ところで、私はこの本をBookoffでパラ見したところ、中のイラストが実に良かったので買った人間なのですが、……あれ? 朝南かつみってテニスのアンソロで見たことあるよ? うわぁ全然気づかなかったorz あの絵がここまで上達するのかー。イラストは実に良かったと思いますので、サプライズを含めて☆一つはイラスト分です。

【評価:★★】


2/13 新編 銀河鉄道の夜(宮沢賢治/新潮文庫)

 読書会の題材本です。名作に触れる機会を作ってくれるのは部の良いところだと思います。あ、媚びてる訳じゃないですってば。
 十二編の短編集で、どれも完成度が高く、綺麗な印象を受けます。ただ、ほぼ全部の短編がそんな感じなので、逆に今ひとつ心に残らない短編集に仕上がっています。感受性が高ければきっとほとんどの短編を面白く思えたんでしょうなぁ……と思うと口惜しいです。しかし表題作の『銀河鉄道の夜』は名作と呼ばれるだけあって非常に良かったです。中学の教科書であらすじは知っていたのですが、それが全く持ってマイナスになっていません。夢と現の境界線にいるような雰囲気に引き込まれ、銀河の幻想的なビジョンに惚れ惚れします。この話自体が宝石のように美しい。これだけでも読めてよかったです。
 もうちょっと感受性の高い頃に読めばよかったのですかね。こんなことを今更嘆いても仕方がないですが。私も年取ったもんだ。でも銀河鉄道の夜は文句なく良かったのでこの評価です。

【評価:★★★☆】


2/13 EDGE ~エッジ~(とみなが貴和/講談社文庫)

 去年完結したシリーズが一般文庫で再登場。面白い面白いと聞いていましたが、確かに面白かったです。文体や一部のファンタジー設定は確かにラノベですが、全く記号的ではないキャラ立てや犯罪者の心理に肉迫するあたりは一般文芸と変わらないといっても言い過ぎではないかと。特に後者は、プロファイリングがテーマなだけあってよく掘り下げられ、そして詳細に書かれています。だからこそ最後のシーンが生きるのではないかと。最後の一つが氷解するラストに溜息。もちろんそれだけでなく、ストーリーも普通に面白いです。事件モノの緊迫性もあります。現実に近い話なので、宗一郎のファンタジー設定や終盤のアレはどうにも浮いちゃって微妙なのが惜しいです。あとこういう話で主人公が人殺しっていうのは倫理的によいのでしょうか?
 しかし、何でこれがホワイトハート? あそこは確かに他の少女向けレーベルよりは年齢層高めですが、これは最初から一般で出した方がよかったんじゃないかなぁ……。あのレーベルはよくわかりません。

【評価:★★★☆】


2/14 斜め屋敷の犯罪(島田荘司/光文社文庫)

 唖然。トリックが無茶苦茶っていうかこんなの分かりませんよ!
 御手洗潔の長編推理もの。同じくカッパノベルスの推理モノの『殺人方程式』をつい最近読んでいたので何となく予想はしていましたが、ストーリー的な面白みはほとんどないです。ほとんど起伏はないですし、これは純粋に事件の謎に驚嘆させることを目的とした一冊ですね。さてその謎なのですが……唖然呆然。パズルのピースは露骨に見える位置においてあるけど、ひらめかない限り絶対に組み立てられないようなものです。こんなの分かるかー! この大掛かり過ぎて逆にバカバカしい(褒めてます)トリックは素敵ですね。『名探偵の掟』のクローズドサークルの章で揶揄していたのはこの話だったのかな、ということを思い出しつつ、でも全く分からなかったので素直に降参です。
 しかし、それを手放しで褒めるには、ちょっと話の無駄が多かったような気がします。個人的にはストーリーも謎も良かった『異邦の騎士』の方が好きかな。あと私は頭がこんがらがるとすぐに人物紹介を見返す人間なので、館の見取り図と人物紹介は出来ればプロローグの前に持ってきてほしかったです。

【評価:★★★】


2/14 月の娘1(渡辺まさき/山田秀樹/HJ文庫)

 友人がプッシュしている一冊。魔法や魔女にたいする作中での持論や舞台設定などはすごいなぁと思いつつ、でも面白かったかといわれるとちょっと微妙な感じでした。最後の展開以外はよく言えばまったり、悪く言えば平板な物語で、そういうのを楽しむにはキャラの掛け合いがあんまり面白くない。というか多分私は相手のことを『キミ』とか呼んじゃう女の子がイマイチ駄目なんでしょう、とこの作品を読んで思いました。イマイチヒロイン・イブキの魅力が分からず、主人公も非日常的な物事に順応しすぎていて微妙。寺の息子だからって、ここまで冷静だと異世界交流の面白みもないなぁ。終盤はなんとなく盛り上がるし、最初に書いたとおり設定はしっかりしていて、それを生かした魔法もよいのですが、ストーリーが楽しめないとなぁ……。
 ボーイミーツガールものでメインが好きになれない(別に嫌いじゃないのですが)のはちょっと痛かったです。2巻で完結していますが、多分楽しめそうにないのでパスで。しかし山田秀樹は本当に不遇な絵師ですねorz いい絵師なのに……。

【評価:★★☆】


2/14 無印失恋物語(群ようこ/角川文庫)

 失恋をテーマにした掌編が12本収録、とあらすじにあったのでてっきり主人公が失恋しまくる話ばかりなのかなーと思ったら、そこは違いました。どの話も失恋がテーマなんですけど、主人公はメインに立ったり傍観者の位置にいたりと微妙に変えてあります。読者を飽きさせないために、それは正解だと思いますが、いかんせん話のテイストはどれもほとんど同じなので、結局似たり寄ったりの話ばかり、ということになっています。掌編ゆえにストーリーはなく、多分主人公が感じたあれこれに共感し、登場人物の行動に反発するのがメインなのではないかと。私としては共感するところもありましたが、それ以上に苛々する部分の方が多かったです。女同士の台詞回しやら行動が狙ってやったにしてもバカっぽすぎる気が。当時の女子大生のイメージってみんなこんな感じなの?
 心に余裕がないときに読むと、「だからぁ?」と声を荒げたくなる感じです。何も読む本がなくて暇な通勤・通学にちょうどいい1冊かな。個人的には微妙。

【評価:★★☆】


2/14 螺旋の王国(広瀬晶/櫻ゆり/集英社コバルト文庫)

 表紙やキャラ設定にものすごいBL臭を感じるノベル大賞<佳作>受賞作。ですが、BL的な面白みはほぼないです。しかしそれが作品の面白さを損ねているかというと、それはまったく別の話。このやけに静かで、やわらかく優しくはあるのだけど、それ以上にどうしようもない残酷さに支配された雰囲気が素敵です。その中で呼吸するキャラの描写も雰囲気を壊さず、なおかつ妙に印象的。これは素敵な雰囲気小説ですね。終盤の展開は終わりを急かされたようで微妙ですが、エピローグで帳消し。変化など迎えるはずもなかった物語で、けれども変化を迎えた後の彼らの姿勢が、やっぱり印象的。優しいほどに残酷な話で、終わりも正直ハッピーエンドとは言いがたいのですが、あのかすかな救いの光はちゃんと届いていたのだと、信じたくなる話でした。
 どこがどういい、とは明確にいえないですが、素敵な話でした。どういう層に受けるのか全く分かりませんが、オススメオススメ。しかしイラストはもうちょっとどうにかならなかったのかなぁ……モノクロ酷すぎるよ。

【評価:★★★★】


2/14 灼眼のシャナ(高橋弥七郎/いとうのいぢ/電撃文庫)

 ものすごい時代に後れている気がしますが気にしない気にしない。アニメを見ていた人間としては、終盤の敵の行動のアレコレの意図が解け、素直に燃えることに感動しましたが(アニメ6話の酷さといったら!)、序盤の展開は非日常への慣れを書くために2話も費やしたアニメの改変は正解だと思いました。なのでこれは一長一短かな。原作は悠二が異常な現状に慣れるのが早すぎな気が。というか全体的に詰め込みすぎて心理描写がおざなりになっています。そのせいでシャナの終盤のアレコレに首を傾げました。アプラクサスの時も思いましたが、文章はやっぱり上手くないですね。勢い任せに書いたとしても、読んでいると突っかかります。そしてアニメを見ていたときもそうだったのですが、私シャナがあんまり好きじゃないんだ……。こんなのツンデレじゃないよ! いやぁ、(精神年齢が)ガキな奴に萌えるのは無理だな、うん。でも設定は独創的ですし、終盤のバトルは実に燃えました。
 3・4巻から面白くなるらしいのですが、十数巻出ているシリーズを今更追うのはちょっときついので、次読むのは積読が減ってからかなぁ。……そんな日はいつ来るんでしょう。

【評価:★★★】


2/15 一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ-(佐藤多佳子/集英社)

 今回の本屋大賞ノミネート作品の中では、多分本命なものですね。先輩、貸してくださってありがとうございます。
 まだ始まったばかりなので盛り上がりに関してはこれからだと思っていますが、キャラが実に魅力的ですね。特に連。天才肌のキャラはスポーツ物にありがちですが、全くやる気もなく練習嫌いな奴は小説では見たことなかった気がします。それでいてその姿があんまり嫌味になってないあたりも良いです。主人公の新二もそうですけど、変に熱血になっているわけでも斜に構えて拗ねているわけでもない、良くも悪くもあの年頃の男の子らしい感じが好き。文体も、ちょっと砕けすぎな気もしますが、のびのびとしていて合っていると思います。個人的にはもっと熱血していてもいいと思いますが、これはこれで。しかし、青春だー。ラストの恋話はキュンキュン(死語)しました。
 ライバルも確固たる存在として良く立っていますし、いいスタートダッシュを切ったと思います。あと700P近くがだれずに続くのか。

【評価:★★★☆】


2/16 一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-(佐藤多佳子/集英社)

 二年生時の話で、同時に新二・連がともに挫折を味わう話。スポーツ物を書くならメインの挫折はつき物で、そこからの復活はどんな形であれ非常に良いカタルシスが得られます。だから私はこういうスポーツ小説が好きで、この2巻目、もっと細かく言うなら『アスリートの命』も例に漏れず燃えました。熱いんだけど、爽やかな感じが消えないのも良いです。同様に連が真剣になるあたりも良かったです。あと2巻目で思ったのですが、この小説はあくまで部活が舞台であるところが良いです。個人がメインじゃなくて部活がメインだから、スポーツだけに一途になるわけじゃない、生き生きとして爽やかな青春小説になっているんじゃないかと。というか恋愛模様がね! 谷口がかわいいわけですが! いいなぁ青春青春。高校生って良いですよね、と思わず懐古的な気持ちになります。
 面白い面白い。非常に良い青春小説です。ラスト1巻は今までで一番長いのですが、どうなることやら。こけることはないだろうと思いつつ、期待しています。

【評価:★★★★】


2/17 一瞬の風になれ 第三部 -ドン-(佐藤多佳子/集英社)

 だから私はスポーツ小説が、青春小説が大好きです。
 もうおなかいっぱい。中盤の県大会での新二に、連に、というか春高陸部の子に燃えて燃えて燃え尽きたかと思いきや、インターハイ予選はそれ以上の盛り上がりでした。10秒そこらの尺で繰り広げられる必死の競りに、心躍らずにはいられません。個人戦はもとより、リレー戦での盛り上がりっぷりは一体何なんだ! 『神様がくれた指』の終盤もそうでしたが、佐藤多佳子はここぞという時の盛り上げっぷりは本当に凄いです。それまでの部活動も、青春! って感じで実に良いです。先輩と後輩の関係とか初々しい恋愛とか、胸がキュンキュンするー。だからこそここで終わるのが勿体ない! とも思いましたが、これは潔い、ととるべきでしょうね。爽やかな終わり方でした。しかし、長い話だったなぁ……3年間を書いてるだけあって、密度がやっぱり薄めですし、それに新二と谷口の恋についても最後まで書いてほしかったよ……。
 でもその欠点をひっくるめて、傑作でした。私は本当にスポーツ小説や青春小説が大好きですね。あと多分私は佐藤多佳子の恋愛の書き方が好きだ。しゃべれどもしゃべれどもといい、これといい、実に萌えます。『黄色い目の魚』も読もうっと。

【評価:★★★★☆】
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